『ONE FLIM』 作品解説
2013.03.17 [No Comments]
今回のブログからぼちぼち自分の過去の監督作品について
憶えてる事を書いていこうと思います。
★『ONE FLIM』
★1977年 8ミリ カラー 15分
★概要
初めて監督した作品です。
普通の語り口のドラマではなくイメージ映像とモノローグで綴られるフィルムです。
★内容
少年はいつも殺し屋の影におびえていた。
『お母さん、僕は殺し屋に狙われてるんだ。。』
母や友人達に少年は殺し屋に狙われてると訴えるのだが
誰も真剣に取り合ってくれない、殺し屋は少年以外には見えないようだ。。
少年は逃げ惑うがいつもそこには殺し屋の視線があった。
ある夜、ついに追い詰められた少年に殺し屋が銃口を向ける!
迫り来る殺し屋の姿は良く見ると、自分自身だった。
殺し屋のライフルが火を噴く、夜の闇に響く銃声!!
その瞬間、少年の姿は赤ちゃんの人形に変わっていた
陸橋の上から落ちてくる少年の人形
その人形に向かって子供が走ってくる
その子供から逃げるように、人形は赤い風船に変化して
空に舞い上がる!
赤い風船を見上げる子供、風船は空のかなたに消えていく!
何故か突然10数人の学生達が現れ、
カメラに向かって叫ぶ!
『バカヤロー』
空のかなたの気持ち良く飛んでったはずの風船は
電線にひっかかって、しおれていた。。。
★解説と制作の裏側
制作は高校の映画研究部になってますが、機材を使わせてもらっただけで
制作費は自腹でした。
当時はスタッフもキャストも集める力がなかったので、ほとんど出ずっぱりの
主演は自分が演じて、その都度、手の空いてる友達にカメラを回してもらってました。
子役は当時、幼稚園児だった末の弟に演じてもらい、人形投げたり、風船飛ばしたり
は父親に手伝ってもらった記憶があります。
中学生の頃までは映画は娯楽だぁ~と思っていたのですが、
この作品を作った16歳の頃はつげ義春と寺山修司に
かなり影響を受けていたので、作品はシュールな
感じの物になっております。
最初はつげ義春さんの『紅い花』を映画にしたいと思っていたのですが
制作的に色々問題が起こり、結局自分の考えた
オリジナルな話を撮ってしまいました。
当時は自殺する同年代の若者が多かったので、
それに対して何か言いたくて
作ったのですが、観てる人にはまるで
伝わってなかったようです。
フィルムは映画研究部に保管されてたのですが、
20数年前に廃部になった
ようですので、現在フィルムがどこに
あるのかはわかっておりません。
映画を作るためだけに高校に進学したので、1年生の分際で
部長に立候補してかなり強引に部長になったのですが、当時映画研究部は
評論部と制作部に分かれており、何故かは思い出せないのですが
評論部に所属して『京都の映画館』なる当時の各映画館の歴史や
どの座席に座るのが一番見やすいかなど書いた小冊子を作ってました。
この作品は2年生の時に作った作品です。
初めて映画を撮って気づいた事は多々あり、
全然自分の思ったように撮れてなかった
ように思います。
自分は作り方として頭に浮かんだ映像並べていって、
物語を構成していくのですが
まず、その頭に浮かんだ映像を現実にカメラの中に作るためには、
レンズの遠近感やぼかし具合など色々コントロールできなくては
上手く表現できないことにここで初めて気づきます。
カメラのフレームの中に単純に被写体を並べただけでは、ダメだと初めて気づくわけです。
そして望遠系で撮影した方が自分の好みの絵になることに気づいて、徐々になんとなく
コントロールできるようになった頃には撮影は終了しておりました。
出来上がりは全然頭の中の映像とは違うけど、
それなりに満足してたように思います。