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k-masui.comのブログ記事

神さん『すまん、寝てもうてたわ~』

2014.04.04  [No Comments]

先日、福島県出身の女優さんから故郷の現状などについて色々お話聞いてたのですが
彼女が跡を継がねばならない神社が【避難区域内】にあるのだそうです。
まだ地震の直後の状態で灯籠など倒れたままで放置されてるそうで
僕が『それって、御神体とか移したりせんで、ええのですかい?』と訊ねると
彼女はよくわからないが、立ち入り禁止区域なので
入れないからやりようもないとの事でした。
でも特に監視してる人もいないので、神社には行けるから、撮影で使ったりしても良いですよ
言われたので、そこで撮れそうな、こばなしをひとつ考えてみる事にしました。
【注:写真は別の福島県の神社です】
fusima01
先日、僕は2回目となる手塚眞監督の「雄勝~法印神楽の復興」と言うドキュメンタリーを観ました。
「雄勝法印神楽」とは
神話を元にした神楽で、アクロバティックな動きや滑稽な所作など見所が多く、
地元に深く根付き愛されているそうです。
しかし、2011年3月の東日本大震災で状況は一変。あらゆるものが失われ、
神楽で使用する面や衣装なども津波に流されてしまいました。
「神楽を絶やしてはならない」と立ち上がった雄勝の人々の熱い思いと生き様を追った
ドキュメンタリー映画なのですが

初めて観た時は気にならなかったのですが、大地震と言う自然の力(神さんが関与してると思われる)
出来事であれだけ、えらいめにあったのに神さんに対する敬意とか感謝の気持ちが消えないと
言うのが不思議に思えました。
漁師さんが『海ってのはこんなもんだ、今までと変わらず海と共に生きていくよ』的な事を
話されてるのを聞いて自然と共に生きてる人は悪い出来事もひっくるめて受け入れる覚悟みたいのが
自然に芽生えるのかなと思いました。
そんな覚悟が無い自分が福島の神さんについて思いついた、こばなしです。(なぜか関西弁です)
***************
*****立ち入り禁止区域で荒れ果てた神社の祠の前で猫が眠そうに、ひなたぼっこしている。
すると祠の扉が開いて
神さんがあくびしながら出て来て賽銭箱をのぞく*****

神:『なんや、最近実入りさっぱりやなぁ』

猫:『さっぱりて、神さん知らんのかいなぁ、この辺り、もう誰もすんでへんでぇ』

神:『住んでへんて、なんかあったんかいなぁ』

猫:『知らんのかいなぁ~のんきやなぁ、この辺、えらい地震で、ぼろぼろやん』

神:『しらん、いつのこっちゃ』

猫:『もう3年にもなるがなぁ、神さんいつまで寝てましてん』

神:『3年そりゃーえらい前やな、わしらはいっぺん寝てもーたら、
この祠の前で誰かが
柏手打ってくれな、目さめへんのやぁ、最後は確か朝からぱんぱんぱんぱん、
この辺のばあさんが柏手うちに来るもんやさかい、
眠れへんで昼寝したんは覚えとるなぁ~』

猫:『のんきやなぁ、あんたが昼寝なんかしとるから、
その間に街ぐちゃぐちゃやで~みんな毎日拝みに来とったのに、
あんな時こそ働たらかな、あかんがなぁ』

神:『そらぁ、悪い事したなぁ、わしで出来ることもあったやろに』

猫:『ところで、わし柏手なんか打てへんのに、あんたなんで今頃、起きてきたん』

神:『いやぁ、なんか体のあちこちがチクチクして目覚めたんやぁ』

猫:『あっわかるわかる、それ放射線たら言うやつやぁ』

神:『なんや放射線って?』

猫:『神さんのクセに猫に質問ばっかりしなさんな』

神:『すんまへん』

猫:『いやぁ、あやまられてもなぁ、なんか申し訳ないし、わしも知りませんのやぁ、白い服着てマスクで顔見えへん
おっさんらが、ガリガリガリガリうるさい機械、使ってここもあかんとか言うて、
放射線だらけや言うてから、
みんなおらんようになったんやぁ』

神:『へぇ~』

猫:『へぇ~やあらへんがな、神さんなんやから、なんとかできんのかいな』

神:『そんな事言われてもなぁ、あっそや』と眼鏡をかけてあたりを見回す。

神:『ほぉ~~こりゃ綺麗やなぁ』

猫:『なんや、それかけたら、なんか見えるんかいなぁ』

神:『見える、見える、キラキラキラキラ、青い小粒があっちこっちで光ってるわ、こりゃ綺麗や』

猫:『なんや綺麗なもんやったら、ええもんちゃうん』

神:『いやぁまぁそれがな、わしらが神さんが気分悪いもん見たから言うて鬱になったりでけんやろ、
そやからわしらの目には、気分悪いもんは綺麗に見えてテンションあがるようにできてるんや』

猫:『なんやそれ、無理矢理ポジティブやなぁ』

神:『まぁな落ちんでたら、人のお願いなんか聞いてられへんやろ、それにしてもこれはめちゃくちゃ綺麗やなぁ』

猫:『ほしたら、ここらで放射線も見えた事やし、神さんの力でパッと消してしもてくれる』

神:『消すのは無理やけど、吹き飛ばすぐらいやったらできるで』

猫:『消せへんのかいなぁ、ほしたらしゃーない、パーと飛ばしてくれるかぁ、
わしも人間が戻ってくれんと飯食うのも大変なんやぁ』

神:『よっしゃとりあえず、海の方に飛ばしといたら、海の神さん力強いさかい、なんとかしてくれるやろ、おりゃー』

強烈な風が吹いて、稲光がする

猫飛ばされそうになるが、耐えている

神さんヘロヘロになって座り込む。

猫:『どや、飛んでったか』

神さん目を凝らして見る、そして首を振る

神:『あかん、この青い粒、飛ばしても飛ばしてもすぐどこからか、沸いてくるわ』

猫『そんな、へこたれんとポジティブ精神で吹き飛ばしてぇなぁ』

神:『すっすまん、なんか力使い過ぎて、また眠くなってきた、すまんのぉ~』と眠ってしまう

猫:『ちょっと神さん、神さんって、あかん完全に寝てる、わし柏手打てへんからおこせへんがなぁ』

神さんスヤスヤ寝てる

猫:『しゃーないまた放射線たら増えたら体ちくちくして起きてくるやろ、ほなな神さん。。。』

猫去っていく

★神さまに怒ってる、こんな歌もありました!

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