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k-masui.comのブログ記事

観察映画

2012.12.11  [No Comments]

選挙ポスター
選挙』『精神』2本のドキュメンタリーを続けて観ました。色々触発されたのですが、カメラを被写体に見られている撮影は被写体の方が観察者を常に意識してる状態になってしまうので、やはりどこか演じてしまうのではと思います。本当の生は記録できるのかなと考えてしまいました。自分は暴対法以降のやくざさんの生活の変化と援助交際がブームのようになってしまっていた世代のその後のドキュメンタリーはいつか撮りたいと思ってるのですが、撮ってもどこまで出せるか難しい部分が多いので具体的には進行してません。すでに撮った映像で一般の人はあまり知らないやくざ式典の映像を持ってるのですが、公開は色んな事情で無理そうです。
以前に石原都知事を親分とした歌舞伎町攻撃で、変わっていく歌舞伎町を撮らないかと言う話もあったのですが、其の時はあまりドキュメンタリーを撮る
と言うことに興味がなかったので結局撮りませんでした。
想田和弘監督の観察映画はラジオで話しておられるのを聴いてから、観たいなぁと思っておりました。今回一気に観てしまった、この2本はとても面白かったので、新作の『演劇1』『演劇2』も観たいと思っております。

観察映画とは、「あらかじめ台本が存在しており、そのとおりの映像を撮っていく」テレビ・ドキュメンタリーのあり方に疑問を感じ、敬愛する監督フレデリック・ワイズマンのような「台本のない」ドキュメンタリー映画を自主制作で作ることを考えるようになる。と言う所から始まったそうです。
ドキュメンタリーに台本があるのかと思われる方も多いと思いますが、20年ぐらい前の事ですが、住野真子監督の『下駄とジャズ』の撮影の時にクランクインまでをテレビのドキュメントで撮影させてもらいたいとの要望があり、撮影隊が密着してたのですが、何度か『今のちゃんと撮りたいので、もう一度』みたいな要望があったりしたりので、準備疲れでうっぷんの溜まってた僕らがカメラに向かって『何がドキュメンタリーじゃい、やらせやんけー』と叫んでしまいました。ディレクターさんがこの叫びを面白がって、使ってしまったので、放映後、仲間のディレクターさん達にあんなシーン使ったら駄目だよ!と非難されてしまったそうです。
僕はこのシーン使ったから、このドキュメンタリーは面白くなったと思ったのですが、そう言うのは暗黙のタブーだったようです。

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