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k-masui.comのブログ記事

うたわないやくざ〜ロリさつ

2016.01.25  [No Comments]

8年前に作ったヤクザ映画の短編集
893239(ヤクザ23区)のDVDBOXの
特典映像として作った
「うたわないやくざ」
と言うかなり変わったショートムービーがあります。

emi06
(写真は歌の女王役の白崎映美さん)

今関あきよし監督の傑作
クレヴァニ、愛のトンネル
音楽を担当された作曲家の宮崎道さんが

うたわないやくざ~ロリさつに繋げて
素敵な感想を書いてくださいました。

その全文を掲載致します。

『893239:うたわないやくざ』(2015年9月25日・記)
 
 イベント「表現者たち」(別称:今関あきよしパーティー)にて、短編シリーズ映画「893239(やくざ23区)」をプロデュースしている(していた)増井公二監督にお会いした。その折、増井監督から「これ見て下さい、短編ばかりで見やすいと思いますよ。」と、近作のサンプルDVDをいっぱい頂いた。で、未明から全部観た。一気に観た。プロデューサー増井監督が自らメガホンをとった劇場用短編集「893239」の2作(かな?)、「走るフラメンコ」と「うたわないやくざ」にツボる。すごく面白い!“愛すべき作品”がまた1つ増えた気分。
 
 特に「うたわないやくざ」。ロマンティックでサイケな色合い、ローラーコースターのスピード感でナンセンスに膨張していく“なんじゃこりゃ?”なストーリー展開を、最後の1カットだけで涙々のヒューマンドラマに落とす圧倒的な力技演出。いびつな魅力を放射するエンターテイメント映画。スゴいよ増井監督! コレ、みんな観たほうがいいよ。(追記:DVDボックスになって出てる。レンタル店にもあるらしいよ。確か「893239/南関東〜品川編」に収録だったかな?)
 
 増井公二監督は現在、新作長編『ロリさつ』の準備を着々と進めていると話す。ロリータ・コンプレックス(ロリコン)の男性への殺傷を認可する世を舞台にしたヒューマンドラマになるのだそうだ。最初に話をお聞きした時はわざわざナンセンスな設定にせんでも…と思った。テロ組織によるスナッフムービー公開なども重なって、不謹慎だとか、誤解も生じるだろうに。だが「うたわないやくざ」を観た後だと、監督の狙う先が薄らと見えてくる。(表現として)御伽話の中からシリアスなリアルが見えた瞬間、それまでに無防備にされた心には、リアルが直球でストライク・バッター・アウト状態の強いメッセージとなる。「ロリさつ」はエンタメの要素を多分に含みながら、その実、極めて重い作品になるのだろう。
 
 映画監督は、観た人の心に物事の本質的な何かを届けるため、映画という「表現」をする。リアルな動画作成技術のエキジビション的な映画が多い中、観た人の脳を刺激して脳内補完作用を促す「考えさせる映画」、つまり“作品”が誕生するのかもしれない…と、期待がナンセンスに膨張中。
 
追記(2016年1月5日):
映画「ロリさつ」の製作費はクラウド・ファンディングで広く一般からも支援を募る事は当初から計画されていて、これまたナンセンスな…と思ったが、ホントに始まった!「許される殺人」というキャッチコピーと宣伝用PVやスチール写真で誤解を受け、増井監督は心が折れそうになりながらも、徹底してナンセンスなボールを投げてくる「ロリさつ」。監督は新作に命を懸けている様子。はたしてクラウド・ファンドでどれだけの資金が調達できるかは定かではないが、これが21世紀の映画製作の(1つの)標準になるかもしれないので注目しておきたい。
 
追記(2016年1月18日):
増井監督に打診して現稿のシナリオを頂き(HPから製作事務局にメールすると誰にでも書類ファイルを送信してくれます)、読んでみた…まさしく「うたわないやくざ」を作った方のシナリオだった。ローラーコースターの勢い、マンガっぽい展開、ギャグすれすれのムチャぶりも多分に含みながら、根底に流れる一貫して超シリアスな考察…反するように痛快エンターテイメントな作り。実に面白いが、正直言って完成図はイメージし難そうだ。だから「うたわないやくざ」は、まだ見ぬ『ロリさつ』完成図へのかすかな水先案内人になるのではないかと思った。さぁ「うたわないやくざ」を観てみよう!

この文章にはパワーを頂きました。
本当に有難うございます!
うたわないやくざの語り部の監督はロリさつの暴力映画の巨匠ヨシツネにつながって行くのです。

http://k-masui.com/product/うたわないやくざ/

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